『  眼鏡  』



と申します」

「は、はじめまして!・ヤ・・・
 あ!いえ、トモエ・ユラ・アスハです」

アッシュグレーのブレザーに
白のワイシャツ
首にはワインレッドのネクタイ
スカートはダークグレーという
モノクロを基調とした制服に身を包み、
は2度目再会を果たした。

資源衛星ヘリオポリス崩壊を受け、
オーブに救援され、地球で生活をし始めると
知らなかった自分の立場を知り驚きと戸惑いを感じながら
技術提供を申し込まれ、モルゲンレーテへ通っていた。

そんなある日、カガリが砂漠へと行くと言い出し
オーブから出て行った日から政治へと身を投じ進み出す。

初めての出会いは、初めて白の軍服に袖を通した時

ウズミから紹介され、
呼ばれた瞬間にの教育係兼秘書と決めると、
の仕事の都合により
改めた顔合わせは明日という事になった。

モルゲンレーテでの技術提供に加え、
オーブの政治へと足を踏み入れる。

後悔は無い。

けど・・・

不安はある。

カガリが道を作り進むなら
私も進まなければ・・・・

何時までも甘えていてはダメ・・
私はトモエなのだから・・・

トモエの道を進まなきゃ・・・
踏むはずだった道を・・・

白い軍服に身を包み、
背筋を伸ばし、
踵を鳴らし歩く。

進むべき道を進む為に。

父であるホムラから与えられた部屋で
不安を払う様にベットに横になり、
目を閉じ闇の中、進む道を考える。

何回も何十回も繰り返す。
自分に言い聞かす様に・・・

闇に意識が解けてゆくまで・・・

闇を裂く音がすれば、変わらぬ朝が来て
TVを付け、天気予報を見ながら朝食を食べ
制服に着替えスクールへと通う。

いつもと変わらない日なのに
始めての登校した時に様に緊張しながら門を潜った。

友達と挨拶を交わし、
他愛のない話をするも緊張は解けず、
授業も集中する事が出来ず何度も時計を見る。

時間の進みが遅く感じられる

終了を告げる音が鳴れば、
挨拶もそこそこに急ぎ足で校門を出、
1個目の角を曲がると黒色の高級車が止まっており
運転手がドア開けると申し訳無さそうに頭を下げ礼を言うと
車内へと入り後部座席へと座った。

ゆっくりと走りだした車は次第に速度を上げ街中を走っていく。

視線は流れ行く町並みではなく震えている手を捉えた。

心臓の音が運転手にも聞えているのではないかと、
思えるぐらい大きいく体中が鼓動の様に一定に震える。

私はどうなってしまうのだろう・・・

意味の無い不安に飲み込まれる。

トモエとしてあるべき姿になるのに・・・

覚悟したのに!

走っていた車がブレーキを踏み、停止をした事に気付かず、
漠然としたモノに飲み込まれてていると、
風が頬に当たるのを感じ視線を動かせば、
閉じられていたドアが開いており、を外へと促していた。

「ご、ごめんなさい!」

ドアを開けて自分が下りるのを待っている運転手と、
入り口先で待っているに誤り、
急いで車から下り、
運転手に礼を言い終わるとに元へ歩み建物の中へ入って行く。

建物内を案内し部屋の名称や機能など説明をしてくれている
の背中を見ながら相槌を打つ。

止まること無い足
冷たい雰囲気を感じさせる声

という人物の第一印象は
『真面目でどこか冷たい人』

脅えを感じながら、
これからの仕事部屋となる部屋へ案内され
ようやくお互い向き合い、視線を合わすと

「昨日お会いしましたが改めて自己紹介させて頂きます。
 トモエ様の教育係兼秘書を勤めさせて頂きますと申します」

「は、はじめまして!・ヤ・・・
 あ!いえ、トモエ・ユラ・アスハです」

早口で自分の紹介をし頭を下げる
の反応はなく

「トモエ様は、モルゲンレーテの管理・運営をして頂きます。
 重役会議等にも出ていただきます」

「はい」

の言葉に勢い良く頷く
軍服に着替えるように言い、部屋から出すと
仕事の準備にかかった。

3回のノックの後小さな体に白の軍服を着たが戻れば
書類の見方、分け方などの処理の仕方を教えると
机にある書類を処理するように言い、
解らなければ聞いて下さい。
と告げ部屋の端にあるデスクへと仕事をしに戻った。

「あ、あの・・さん」

PCに向かっていたの元にが近寄り
申し訳無さそうに声をかけると
言いようの無い表情をし、
いきなり言葉をかけてしまったから驚かせたと思った


「ごめんなさい」

誤りを入れると
申し訳無さそうに手を振り、

「いえ、トモエ様が謝る事はありません。
 何かありましたか?」

誤りを入れるに、書類を見せ疑問を問いかけ
答えを貰いデスクに戻ろうと体を1歩後退するが

「トモエ様、今後、質問・用事などありましたら
 遠慮せず呼んで下さい」

御自分で動く事はしないように。

「は・・い。
 わかりました・・」

書類から目を離さず返事を返す。

上に立つ者としては当たり前な事だがには出来なかった。

として過した日々の中で呼びつけるなんて事は無かった。
何よりキラや義父さん、義母さんの微笑んでくれる顔が見たくて
駆け寄る方が多かった。

自分だけ座っていて他の人を働かすなんて罪悪感を感じる。

そんなことできない・・・

俯いてしまった

「何も全て今すぐにしろ、とは言いません。
 1つ1つして頂ければ結構ですから、
 何も知らない世界へ入ったのです。
 何も知らなくて当たり前ですから教育係の私がいるのです。
 そう肩に力を入れず、ゆっくり行きましょう」

柔らかくなった声に恐る恐るが顔を上げると
微笑んでいるの表情が見えた。

キラと良く似た、兄としての雰囲気に似ていた。

「あ・・・」

初めてまっすぐ見た顔に違いを見つけ、思わず声を出すと
何事かとの名を呼ぶ

「トモエ様?」

さんメガネを掛けてるんですね」

始めて見ました。

手を軽く合わせ嬉しそうに微笑んでいるの言葉に

「パソコンをする時だけですが・・・」

指摘を受けたメガネを外し苦笑すると

「メガネを掛けている人が近くにいなくて
 お兄ちゃんもあっちゃん目が良かったら!
 メガネをかけたさんもカッコ良いですね」

少し興奮しているのか高い声で早口になっている言葉に

「そうですか?」

曖昧な言葉で返すとの言葉が続いた。

いつの間にか無くなっていた、
重い雰囲気との第一印象はなくなり、
少しだけ真面目な雰囲気が残った。




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           16のお題 『 眼鏡 』

                いかだったでしょうか?
                5話と6話の間のお話で16話で出てきているネタを書いたつもりです。
             
                メガネだったので、コレもありかなぁ〜
                なんて軽い気持ちで書いてしまいました・・・
                小話なんで軽く読んで下さいませ。

                                                                 2004 4 16